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千歩堂 KYUDO
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弓道の弓は素材で3つに分かれる|グラス・カーボン・竹弓の違いと、乗り換えを考える時期

弓道具の基礎知識

弓道の弓を選ぶとき、「種類」という言葉には3つの別の意味が混ざっています。

  • 素材(グラス・カーボン入り・竹)
  • 長さ(並寸・伸寸など)
  • 弓力(何kgか)

このうち値段と扱いやすさ、そして管理の手間をいちばん大きく決めるのが素材です。長さと弓力は体格と引き尺、そして段階で決まる部分で、素材とは別の話になります。

この記事では素材による3つの違いを整理し、あわせて「そろそろ竹弓を」と言われる時期に何が増えるのかまで書きます。

まず、3つの素材で何が変わるのか

素材扱いやすさ管理の手間主に選ばれる場面
グラス(グラスファイバー)いちばん扱いやすい少ない初心者から高校・大学の部活まで。練習用の標準
カーボン入り軽さと反発の強さが出る少ないグラスに慣れ、矢飛びや軽さを求める段階
竹弓個体差があり、扱いに慣れが要る大きい(張り込み・保管・成りの管理)段位が上がってから/作法や射味を重視する場面

この表でいちばん大事なのは、右から2列目です。 素材の違いは「性能の上下」ではなく、手間をどこまで引き受けるかの違いとして現れます。

グラス弓:最初の一張りの標準

グラスファイバーの弓は、気候の影響を受けにくく、扱いを間違えても壊れにくいのが特徴です。だから学校の部活で最初に渡されるのはたいていこれです。

  • 湿度や気温で状態が変わりにくい
  • 弦を張ったまま置いても、竹弓ほど神経を使わない(ただし張りっぱなしは避けるのが基本です)
  • 同じ弓力の個体を選びやすく、買い替えても感触が近い

「安いから初心者用」という位置づけではありません。 練習量が多い時期に、弓の状態ではなく自分の射に集中できるのは、実際には大きな利点です。

値段の考え方は弓の値段はどう決まるのかにまとめています。

カーボン入り:軽さと反発を足したもの

カーボンを入れた弓は、グラスより軽く、反発が強く出る傾向があります。 そのぶん値段は上がります。

選ばれるのは、グラスで基礎ができて、矢飛びの物足りなさや弓の重さが気になってきた段階です。逆に、まだ引き方が固まっていない時期に反発の強い弓へ移ると、手の内やねらいのくせが出やすくなります。

カーボンかグラスかは、好みの前に段階の話です。 迷ったら指導者に「いま移る時期か」を確認してください。

竹弓:性能ではなく、引き受ける手間で決まる

竹弓は一張りごとに個体差があり、状態が季節と扱いで変わります。 よく言われる「別物」という感覚は、この変化まで含めた話です。

竹弓に移ると、次のことが新しく増えます。

  • 張り込みと弦の管理(張ったままにしない、張る時間を管理する)
  • 保管場所の管理(乾燥・直射日光・急な温度変化を避ける)
  • 成り(弓の形)の確認と、崩れたときの手直し
  • 不調時に自己流で直さず、弓具店・弓師に相談する前提

つまり竹弓は、道具の管理という仕事が増えます。 これを負担と感じる時期に無理に移ると、練習量が落ちることもあります。時期の判断は、必ず指導者と相談してください。

保管環境が整っていない状態で持つのは、弓に対しても自分に対しても損です。 持ち運びの注意は弓の持ち運びにまとめました。

素材とは別の2つの軸:長さと弓力

素材が決まっても、まだ弓は決まりません。

  • 長さ:並寸と伸寸などの区分があり、身長ではなく引き尺で決まります。詳しくは並寸と伸寸の違い
  • 弓力:何kgを引くか。強い弓が上手い弓ではありません。目安は弓力の目安

この2つを外すと、素材を上げても結果は良くなりません。 順番としては、長さ→弓力→素材の順に決まっていくと考えると分かりやすいです。

中古で買うときに素材ごとに見るところ

中古は、素材によって確かめる場所が変わります。

  • グラス・カーボン:反りの左右差、握りの摩耗、末弭・本弭の欠け、目立つ傷
  • 竹弓:成りの崩れ、ひび、剥がれ、そしてそれまでどう保管されていたか

竹弓の中古は、状態の判断が難しい部分です。 実物を見られる場で、詳しい人と一緒に確認するのが安全です。中古全般の考え方は弓道具を中古で買うときにまとめています。

よくある質問

Q. 最初の一張りは、どれを選べばいいですか。 A. 多くの場合はグラスです。 気候に強く、状態に神経を使わずに練習量を積めます。ただし所属先の方針や指導者の考えがあるため、買う前に必ず相談してください。

Q. カーボン入りにすれば矢が届くようになりますか。 A. 届かない原因が弓力や引き方にある場合、素材を変えても解決しません。 先に長さと弓力が合っているかを確認してください。反発の強い弓は、くせを大きくすることもあります。

Q. 段位が上がったら竹弓にしないといけませんか。 A. 義務ではありません。 ただし作法や射味を重視する場面で選ばれることが多く、勧められる機会は増えます。管理の手間を引き受けられる環境かどうかで判断してください。

Q. 竹弓とグラスを併用してもいいですか。 A. 実際にそうしている人はいます。 練習量の多い日はグラス、審査や大会は竹弓という使い分けです。ただし感触が違うため、切り替えの影響は人によって差があります。 指導者に相談のうえ試すのが安全です。

Q. 素材で寿命は変わりますか。 A. 扱いと保管の影響のほうが大きく、素材だけでは決まりません(要確認)。グラス・カーボンでも張りっぱなしや高温多湿の保管で傷みます。竹弓は状態の変化が早く出ます。気になる症状が出たら、自分で直す前に弓具店・弓師に見てもらってください。

まとめ

  • 弓の「種類」は素材・長さ・弓力の3つが混ざった言葉。決める順番は長さ→弓力→素材
  • 素材の違いは性能の上下ではなく、引き受ける管理の手間の違い
  • グラスは気候に強く扱いやすい。最初の一張りの標準で、安いから初心者用という話ではない
  • カーボン入りは軽さと反発。移る時期は好みではなく段階で決まる
  • 竹弓は張り込み・保管・成りの管理という仕事が増える。時期は指導者と相談
  • 中古は素材ごとに見る場所が違う。竹弓の中古は詳しい人と実物を見る

掲載内容は一般的な整理です(確認日:2026-08-18)。弓の選択・弓力・素材の移行時期は、体格・射の段階・所属先の方針によって結論が変わります。 購入前に指導者と弓具の専門店へご相談ください。