結論(先に要点)
弦輪(つるわ)は、弦の両端を弓の弭(はず)にかけるために作る輪です。結論から先にお伝えすると、作り方の要点は次のとおりです。
- 弦輪は上下(本弭側・末弭側)で扱いが違う。 下側(本弭側)の輪と、上側(末弭側)の輪では大きさや作り方が異なります。
- きつく・ほどけないように作る。 引いている最中にほどけると危険なため、確実に締めることが大切です。
- 素材で作りやすさが変わる。 合成弦は扱いやすく、麻弦は丁寧さが求められます。
- 市販弦は弦輪が作られていることも多い。 自作が不安なうちは、輪付きの弦から始める方法もあります。
弦輪は安全に関わる大切な部分です。以下で、本弭側・末弭側の違いと、ほどけない結びの作り方を詳しく解説します。
弦輪とは・なぜ正しく作る必要があるか
弦輪は、弦の両端に作る輪で、これを弓の上下端(弭)にかけて弓に弦を張ります。弦輪がゆるかったり、結びが甘かったりすると、引いている最中に外れたりほどけたりして、弓や矢が思わぬ動きをし、けがの原因になります。だからこそ、弦輪は確実に、ほどけないように作ることが何より大切です。
弦は消耗品で、張り替えのたびに弦輪を扱います。弦の寿命や交換の目安は弓道の弦の寿命と張り替えの目安|何射で替える?、弦の種類・号数の選び方は弓道の弦の選び方|号数・素材の違いとおすすめで解説しています。
本弭側と末弭側の違い
弓には下端の「本弭(もとはず)」と、上端の「末弭(うらはず)」があり、弦輪の扱いはこの上下で異なります。
本弭側(下)の弦輪
本弭側の弦輪は、基本的に弓に固定して使う側です。輪の大きさを弓の弭に合わせて作り、しっかりと締めます。
末弭側(上)の弦輪
末弭側の弦輪は、弦を張ったり外したりするときに掛け外しする側です。そのため、扱いやすさも考えつつ、引いている間はほどけない確実さが求められます。
上下で役割が違うため、輪の大きさや締め方を使い分けます。具体的な大きさや作り方は、弓の種類や流派・指導方針によって細かな違いがあるため、最初は指導者に直接教わるのが確実です。
弦輪の作り方の手順(基本の考え方)
弦輪の作り方には複数の方法がありますが、共通する基本の流れは次のとおりです。
1. 弦の端を整える
まず弦の端を整え、輪を作る位置を決めます。位置がずれると弓に張ったときの張り具合(弦の高さ)が変わるため、慎重に決めます。
2. 輪を作る
弦を折り返して輪を作り、巻きつけて結びます。このとき、輪の大きさが弓の弭に対して適切であること、巻きが均一であることが大切です。輪が大きすぎると外れやすく、小さすぎると掛けにくくなります。
3. しっかり締める
結び目をしっかり締めて、ほどけないようにします。引く力がかかってもゆるまないよう、確実に締めることが安全の要です。
4. 張って確認する
弦を弓に張り、弦の高さ(弓と弦の間隔)や弦輪のかかり具合を確認します。違和感があれば作り直します。
弦輪を作ったら、弦の中央には中仕掛けを作って矢をつがえる部分を補強します。中仕掛けの作り方は中仕掛けの作り方|太さの目安・弦輪・崩れたときの直し方で詳しく解説しています。弦輪と中仕掛けはセットで覚えておくとよいでしょう。
素材による扱いの違い
合成弦(化学繊維の弦)は丈夫で扱いやすく、弦輪も作りやすい傾向があります。麻弦(天然素材の弦)は風合いが好まれる一方、扱いに丁寧さが求められ、弦輪づくりにも慣れが必要です。初心者はまず扱いやすい合成弦で練習するとよいでしょう。
なお、市販の弦には弦輪があらかじめ作られているものもあります。自分で作るのが不安なうちは、輪付きの弦から始め、慣れてきたら自作に挑戦するという進め方も安全です。
弦の高さ(弦調子)と弦輪の関係
弦輪を作る位置は、弓に張ったときの「弦の高さ(弓と弦の間隔)」に直結します。この間隔は弦調子(つるしらべ)とも呼ばれ、射の感覚や矢飛びに影響する大切な要素です。弦輪を作る位置がずれると、弦が高すぎたり低すぎたりして、弓本来の性能を引き出せなくなることがあります。
弦の高さには適切な範囲の目安がありますが、弓の種類や弓力、好みによっても変わります。一般的には、張ったときに弓と弦の間隔が一定の範囲に収まるように、弦輪の位置を調整します。適切な高さがわからないうちは、指導者に確認しながら合わせるのが確実です。
新しい弦は、張った直後は伸びて高さが変わることがあります。そのため、張ってしばらく引き込んで馴染ませてから、改めて高さを確認・調整するとよいでしょう。弦輪の作り直しや位置の微調整で高さを合わせられます。弦輪・弦の高さ・中仕掛けは互いに関係し合っているため、弦を張り替えるときは、これらをセットで点検する習慣をつけると、安定した射につながります。安全と性能の両面から、弦まわりの基本を一つずつ覚えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 弦輪は自分で作れますか?
慣れれば作れますが、安全に関わる部分なので最初は指導者に直接教わるのが確実です。弓の種類や流派で細かな違いがあります。自信がないうちは、弦輪があらかじめ作られた市販弦から始める方法もあります。
Q. 本弭側と末弭側で何が違いますか?
本弭側(下)は基本的に弓に固定する側、末弭側(上)は弦を張り外しするときに掛け外しする側です。役割が違うため、輪の大きさや締め方を使い分けます。詳細は弓の種類や指導方針によります。
Q. 弦輪がほどけないか心配です。コツは?
結び目を確実に締め、輪の大きさを弓の弭に合わせることが大切です。引く力でゆるまないよう、巻きを均一にしっかり締めましょう。張った後に弦の高さやかかり具合を確認し、違和感があれば作り直します。
Q. 合成弦と麻弦で弦輪の作りやすさは違いますか?
はい。合成弦は丈夫で扱いやすく弦輪も作りやすい傾向、麻弦は丁寧さと慣れが求められます。初心者はまず合成弦で練習するのがおすすめです。
Q. 市販の弦は弦輪を作らなくていいのですか?
弦輪があらかじめ作られている市販弦もあります。その場合は自分で作る必要はありません。自作が不安なうちは輪付きの弦を使い、慣れてから自作に挑戦するとよいでしょう。
まとめ
弦輪は、弦を弓に張るための大切な輪で、安全に直結します。本弭側・末弭側で扱いが違い、確実にほどけないように締めることが要点です。合成弦は扱いやすく、自作が不安なうちは輪付きの弦から始めるのも安全な方法です。弦選びや張り替えで迷ったときは、指導者や取扱店に相談しましょう。
価格の目安
- 弦:1,160〜1,910円
- 握り革:880円〜
- 下がけ:610円〜
年に数千円〜1万円ほどを見ておくと、切らして困ることがありません。
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